政策

デジタルライフライン全国総合整備計画 21世紀の列島改造が始まった(1)

なぜ大手メディアは取り上げないのか 「デジタルライフライン全国総合整備計画」(デジタル全総)をご存知だろうか。 ネットで検索すると、旗振り役の経済産業省やデジタル庁、内閣府などが作成した資料を除くと、真正面から取り上げた記事や論説はほとんど…

新東名に自動運転レーン デジタル田園都市構想の果実をアピールなのだが

経済記者シニアの会に掲載したコラムです コメントは本編(⇩)に書き込んでいただけると嬉しく思います。 広報プラスαのガイドブログ「経済記者OBの目」 3月中旬から4月中旬にかけては並みの「カツ丼」(喝ドン!)を超える出来事が相次ぎました。安倍政権…

Trusted Web協議会の先生たちが触れなかったこと ウクライナの目玉焼きと正倉院戸籍(3)

ビジネス取引の9割はアナログという現実 さて、本稿の主題はこれから先です。Trusted Web協議会の先生方が気づいているのに会合で言及していない「隠された命題」がある、という話です。いや、それは先生方ないし事務局(内閣官房デジタル市場競争本部)が…

AWS/GCP採用に続く次の一手は? デジタル庁のガバメントクラウド先行事業(3)

データの”確からしさ”をどう担保するか 水面下で総務省やデジタル庁と連携しているのは、内閣官房のデジタル市場競争本部も同様だ。同本部主宰のTrusted Web推進協議会(座長:村井純慶応義塾大学教授)の第4回会合が、牧島デジタル担当相によるガバメントク…

AWS/GCP採用に続く次の一手は? デジタル庁のガバメントクラウド先行事業(2)

”信頼に足るクラウド”の要件 ガバメントクラウド先行事業でAWSとGCPの両クラウドが適用されるのは、以下の2項目だ。 ●地方公共団体の主要17業務における標準化などを検討する先行事業を実施するためのクラウドサービスおよび関連サービス●各府省庁のWebサイ…

AWS/GCP採用に続く次の一手は? デジタル庁のガバメントクラウド先行事業(1)

行政DXの基盤となる「ガバメントクラウド(Gov-Cloud)先行事業」にAWSとGCPを採用──デジタル庁の公式発表が2021年10月26日で、先日の総選挙の争点にはならなかったが、見落としてはならない重要なニュースだと言える。国民の生命・財産にかかるデータを扱う…

“デジタルの渦”に飲まれるか、巻き返すか─必要なのは「デジタル日本」への改造論

安易なバラマキ公約なんて要らない─新政権発足と衆院解散・総選挙で思うこと 画面1:自民党総裁選に勝利した岸田文雄氏が第100代内閣総理大臣に就任した。2021年9月29日付けBBCの記事より。 2021年10月4日に岸田文雄自民党総裁が第100代内閣総理大臣に就任、…

「DXレポート2」に書かれなかったこと─経産省の真意を深読みする 情報産業からデジタル産業に軸足を転換、その過程で浮き彫りになる3つの課題(3)

「デジタル産業」の形成で多重下請け構造から脱却 より難題なのは、(2)IT産業の多重下請け構造だろう。所管する商務情報政策局の情報産業課(ソフトウェア・情報サービス戦略室)は2021年2月4日に「デジタル産業の創出に向けた研究会」を立ち上げ、かねてか…

「DXレポート2」に書かれなかったこと─経産省の真意を深読みする 情報産業からデジタル産業に軸足を転換、その過程で浮き彫りになる3つの課題(2)

「DXレポート2」に書けなかった3つの問題 DXレポート2は仕事納めの年末ギリギリに公表しなければならないほど切羽詰まった内容ではない。もう1つのディスカッションペーパーも年初に公表するより、じっくり読み込む時間を考慮すべきだったかもしれない。 そ…

「DXレポート2」に書かれなかったこと─経産省の真意を深読みする 情報産業からデジタル産業に軸足を転換、その過程で浮き彫りになる3つの課題(1)

2月16日に掲載されてから4月6日までアクセスランキングTop10に入っていましたが、ようやく圏外に消えたので、ここに再掲します。 ************************************ 経済産業省が2020年末に公表した「DX…

日本政府が世界に発信するDFFT のコンセプト「Trusted Web」の具体策を聞く(3)

Trust Webアーキテクチャーの構成要素 Trustを実現するには、データのやり取りをする相手を確認する必要があり、デジタル上で個人・法人等の属性が検証されることが必要となるが、属性を紐づけるための識別子を発行し、管理する機能として①のIdentifier管理…

日本政府が世界に発信するDFFT のコンセプト「Trusted Web」の具体策を聞く(1)

内閣官房デジタル市場競争本部 記者レクの要約 ――IT記者会向けにオンライン・ブリーフィングを開きたいと言っている。誰とコンタクトを取ればいいのか、教えてほしい。 というメールが届いたのは3月30日だった。 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室の中に…

デジタル・ガバメント集中投資の行方─ポスト安倍/ポストコロナのIT政策はどう動くか

『IT Leaders』2020年9月3日掲載の記事を再掲します。 憲政史上最長の在任日数で安倍晋三内閣が終焉した。ポスト安倍がだれに落ち着くにせよ、政府のIT施策に大きな変化が出るかもしれない。確たる裏づけがあるわけではない。推測に過ぎないことを前…

デジタル改革アイデアボックス

デジタル改革アイデアボックスがスタートしました。 皆さん、登録してどんな意見が出ているかを見るだけでなく、自分(自分たち)の意見を出してみるのはいかがでしょう。 「賛成」「中立」「反対」の意見を表明できるようになっていて、人気投票になってし…

デジタルかアナログ・ガラパゴスか 目指すべきは「ブロックチェーン社会」(下)

平井卓也氏のホームページから 手始めは580手続きをネット完結に 平井氏ないし「デジタル庁」が取り組む「行政手続きのデジタル化」第1ステップは、現行の手続きを大きく変更することなく、オンライン/ネットで完結するようにすることだ。年間10万件…

デジタルかアナログ・ガラパゴスか 目指すべきは「ブロックチェーン社会」(上)

河野氏が開設した「行政改革目安箱」 ハンコ撤廃は慣例・前例主義の突破口 菅内閣発足直後、河野太郎行革担当相がすかさず開設した自前の「行政改革目安箱(縦割り110番)」は勇み足だった。異論・正論、有象無象のコメント4000通以上が集中して収拾…

経産省が「2025年の崖」対策の第2弾 「DX銘柄」と「デジタルガバナンス・コード」を読み解く(下)

1回目の会合は検討テーマの羅列で終わる デジタルガバナンス検討会初回の様子を描写すると、攻めのIT経営銘柄選定委員会で委員長を務める伊藤邦雄氏(一橋大学大学院 経営管理研究科 特任教授)が座長として中央に座り、経産省側は商務情報政策局 局長の西…

経産省「DXレポート」のねらい 《2025年の崖》問題で受託型ITベンダーは再生できるか

9月7日午後3時から、経産省本館7階会議室でIT記者会向けブリーフィングが行われた 9月7日、経済産業省が「DXレポート~ITシステム《2025年の崖》の克服とDXの本格的な展開~」を発表した。今年5月から8月まで、計4回開催した「デジタルトランスフーメー…

経産省、産業のDX加速に向けレガシー度の見える化と準備金制度など検討へ

経済産業省のIT政策は、昨年6月の組織再編を契機に、第4次産業革命に向けて舵を切ったと言われる。IoT投資税制や特区型サンドボックス制度(自動運転やドローンなどの実用化実験について特定地区で規制を緩和する制度)などがスタートしているが、産業のデ…