”信頼に足るクラウド”の要件
ガバメントクラウド先行事業でAWSとGCPの両クラウドが適用されるのは、以下の2項目だ。
●地方公共団体の主要17業務における標準化などを検討する先行事業を実施するためのクラウドサービスおよび関連サービス
●各府省庁のWebサイトのデザインやコンテンツ構成等の標準化・統一化を図る予定のデジタル庁Webサイトに向けたクラウド環境
いずれも先行事業なので、本番を迎える2023年度までに、牧島担当相が会見で述べたように「基準を満たす国産がしっかりと育っていく」可能性がないでもない。それを視野に入れてか、経済産業省の半導体・デジタル産業戦略検討会議は2021年5月、国内の産業・政府・インフラを担うに足る「クオリティクラウド」技術の開発を提唱している(図2)。
クオリティクラウドの要件は以下のとおりである。
信頼性
●災害時(有事)でも処理の確実性を担保
●応答時間を保証(超低遅延性)
●有事対応を含む安定運用のための体制確保
●研究開発体制等を含む長期的対応能力
●データ取扱の透明性
●プライバシー保護、サイバーセキュリティ対策
●国内法の適用
オープン・使いやすさ
●特性の異なるクラウドを一体運用できる相互接続性
グリーン
●高効率な処理(マシン単体の省電力から分散クラウドによる省電力へ)
クオリティクラウドは、複数の異なるクラウドサービスを連携させ、一体的に運用できるマルチクラウド技術がベースなので、AWSやGCPから国産クラウドへの乗り換え機能も必須とされるに違いない(関連記事:経産省が次世代IT基盤「クオリティクラウド」に照準─コロナ禍で急浮上した経済/IT安保の視点)。
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