観光振興が被災者の支援に結びつくか 補助金依存の経済浮揚策は自滅の道の一里塚/観光庁が「北陸応援割」の概要を公表

「北陸応援割」の紹介ページ(観光庁

 2月16日、観光庁が「北陸応援割」の概要を公表しました。能登半島地震の発災直後から政府の災害対策本部が検討してきた「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」に盛り込まれていたもので、新潟・富山・石川・福井の4県への旅行・宿泊料金を最大50%補助するとしています。

 宿泊のみ、交通・宿泊込み、周遊型旅行商品など旅行形態でそれぞれ限度額がありますし、県ごとに実施期間が違ったり個別の優待割引が設定される可能性があるようです。北陸新幹線敦賀まで延伸・開業する3月16日に合わせて、北陸地方の観光を振興しようというねらいもあるようです。

 「北陸応援割」の詳細は観光庁の公表資料や各県の観光協会ないし、旅行会社や宿泊予約サービスのサイトで確認してください。

94億円の予算で600億円の経済効果という試算

 北陸応援割のスキームは、①国が対象4県に補助金を交付→②4県から旅行会社や宿泊予約サービス会社に割引額を補填→旅行者は割引適用額で旅行―−となっています。旅行者は旅先で割引額相応(ないしそれ以上)の飲食やお土産を購入するので、対象4県の観光地にお金が落ちるという算段です。

 このために観光庁が用意している予算は94億4000万円、期待される経済効果は600億円という試算があります。ですが、当該の観光地にピンポイントでお金が落ちるわけではありません。間違いなく喜ぶのは旅行会社や宿泊予約サービス会社、補助金の申請処理を請け負う事務サービス会社や要員派遣会社でしょう。

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