「新型ウイルスはアンダーコントロール」という幻想 ごはん論法が日本を滅ぼす

2月18日にマイブログに掲載していた記事ですが。 記者会見する加藤勝信厚生労働大臣(厚労省のホームページから) クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」乗客の下船が始まり、国内での感染者が100人を超えた。新型コロナウイルスで初の死者に次ぐ節目だ…

【現代ビジネス】みずほ銀行を苦しめた「悪夢の記録」が異例のベストセラーになったワケ 読むだけで気が滅入るシステム統合の全貌

みずほの「サグラダ・ファミリア」 いま、エンタープライズIT業界で話題の本がある。『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』(日経BP)だ。 刊行からわずか2日で増刷となったIT系書籍として異例のベストセラーで、ビジネスマンはもちろん、多くのIT専門家…

JUAS「企業IT動向調査2020」速報値(第3弾) データ活用、DX推進にはほど遠い実態

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2020」速報値は、2月17日付で公表された第3弾「8割の企業がデータ活用への取組みを実施」が最新。表題の通りデータ活用の環境整備や課題への取り組みを調査している。 売上高規模別の統計も…

JUAS「企業IT動向調査2020」速報値(第2弾)を読む デジタル化は売上高1000億円が境界

JUAS「企業IT動向調査2020」速報値は、2月17日までに第3弾まで公表されている。今回は「ビジネスのデジタル化は分岐点に〜実施レベルを高めていくことが期待以上の成果を得るカギ〜」の副題がついた第2弾を紹介したい。有効回答956社のデジ…

JUAS「企業IT動向調査2020」速報値(第1弾)を読む 「ちょっと減る」では済みそうにない

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が「企業IT動向調査2020」速報板を公表した。以前は記者会見または一般向け説明会に報道関係者を招いてくれたのだが、少なくとも筆者にそのような案内はなかった。それで記事にするのが遅くなった——と、恨み節を兼ね…

マイナンバーカード体験レポート〜その3・カード交付編〜 窓口はガラガラ、今がチャンス……かな?

鉄は熱いうちに打て、ではないけれど、交付通知書が届いた翌日(2月6日)に受け取りに行くつもりだったのですが、今季いちばんの冷え込みとか。 ーー無理することはないよね。 と新型コロナウイルスを言い訳に、それでも忘れないうちにと本日(2月7日)…

マイナンバーカード体験レポート〜その2・交付通知書編 結局ハンコなのね

配送追跡用の数字とバーコードは目隠ししました マイナンバーカードの交付申請書類を投函したのは、仕事始めの1月6日だった。数えてちょうど1か月の今日(2月5日)、「書留で〜す」と郵便配達の人がハガキ大の青い封筒を持ってきた。書留だから認め印が…

自治体のマイナンバー情報管理に重大なリスク 2週遅れで会計検査院の報告書を読む

1月16日、会計検査院が市区町村のマイナンバー情報管理に不備があると指摘した、というニュースが一斉に報じられた。総務省にしてみれば、年明け早々、冷水を浴びせられたかっこうだ。 報道メディアの見出しを拾うと以下のようだ。 ■マイナンバー端末で不…

「2025年の崖」の警告先は大企業だけ? 中堅企業はデジタルの時代をどうサバイブするか(後編)

改革すべきIT領域の構造問題のうち、ユーザーにかかわるのは次の2点である。 ①IT予算の約8割が既存システムの保守管理維持に投入されている ②ITシステムの設計・開発・運用・保守を外注に丸投げしている この状況は、52万8000を数える中堅企業(注1)でも変…

「2025年の崖」の警告先は大企業だけ? 中堅企業はデジタルの時代をどうサバイブするか(前編)

「延命オフコン」や「なんちゃってクラウド」が企業の突然死リスクに 2019年12月25日(水) エンタープライズIT業界の流行語大賞があったとしたら、経済産業省のDXレポートが指摘する「2025年の崖」は大賞ないしは大賞候補だったかもしれない。それほど各所で…

岸和田製鋼に行ってきた⑤ DXの前に済ませておくべき6つのこと

岸和田製鋼の本社オフィス(営業部) プログラムのステップ量でなく機能の数 LINUXサーバーで稼働した新「KCTS」の規模を数字で把握しておこう。 「2016年12月にサービス・イン(カットオーバー)した時点の機能は1863でした」と松村氏は…

岸和田製鋼に行ってきた④  コーディング・レスで基幹システムを全面刷新

工程表に「プログラミング」の文字がない 岸和田製鋼の新「KCTS(KISI-Con-Total-System)」は2016年12月に本番稼働した。 「基本設計からサービス・インまで18か月でした」 と松村氏は言う。 資料から1年半の工程(下図参照)を探ると、201…

MDMとPSAが融合すると真っ当な「働き方改革」が実現する、かな?

政府主導の「働き方改革」がスタートしたのは昨年4月。時間外労働の上限規制のほか、有給休暇の取得、勤務間インターバル、高度プロフェッショナル制度などが具体策だ。本来は無駄の削減と効率アップ、生産性と付加価値の向上で、就労者の就労環境や待遇の…

岸和田製鋼に行ってきた③ まず取り組んだのはデータモデルと要件定義

お客さま第一——しかし設計変更があると大変 2012年に経済産業省が公表した電炉業再編の指針「金属素材競争力プラン」をきっかけに、岸和田製鋼は事業基盤の再整備に着手した。そのときのウエイトは基幹系ITシステムの見直しより、圧延工程の更新によっ…

岸和田製鋼に行ってきた⑤ DXの前に済ませておくべき6つのこと

岸和田製鋼の本社オフィス(営業部) プログラムのステップ量でなく機能の数 LINUXサーバーで稼働した新「KCTS」の規模を数字で把握しておこう。 「2016年12月にサービス・イン(カットオーバー)した時点の機能は1863でした」と松村氏は…

岸和田製鋼に行ってきた④ コーディング・レスで基幹システムを全面刷新 

工程表に「プログラミング」の文字がない 岸和田製鋼の新「KCTS(KISI-Con-Total-System)」は2016年12月に本番稼働した。 「基本設計からサービス・インまで18か月でした」 と松村氏は言う。 資料から1年半の工程(下図参照)を探ると、 ●2015年7月から10…

岸和田製鋼に行ってきた② 背景に独立系電炉製鉄業の再編・存亡の危機感

経産省指針が電炉業界に与えた衝撃 第1回目に書いたことだが、電炉製鉄業のビジネスモデルは ①鉄の静脈産業であること ②「地産地消」型であること という特徴がある。鉄鉱石から鉄を抽出する高炉に比べ、電炉は投資が小さいし、大量の鉄鉱石やコークスを輸…

岸和田製鋼に行ってきた③ まず取り組んだのはデータモデルと要件定義 

お客さま第一——しかし設計変更があると大変 2012年に経済産業省が公表した電炉業再編の指針「金属素材競争力プラン」をきっかけに、岸和田製鋼は事業基盤の再整備に着手した。そのときのウエイトは基幹系ITシステムの見直しより、圧延工程の更新によっ…

岸和田製鋼に行ってきた② 背景に独立系電炉製鋼業の再編・存亡の危機感

経産省指針が電炉業界に与えた衝撃 第1回目に書いたことだが、電炉製鉄業のビジネスモデルは ①鉄の静脈産業 ②「地産地消」型 という特徴がある。 鉄鉱石から鉄を抽出する高炉に比べ、電炉は投資が小さいし、大量の鉄鉱石やコークスを輸入することを考えると…

岸和田製鋼に行ってきた① 電炉製鋼業は重厚長大型の静脈産業だった

本当は昨年中にアップしていなければならなかったのですが、どこから書いたらいいか、迷っていました。う〜ん、こうなったら書けるところから書いていけばいいじゃん、ということで、とりあえず1回目です。 岸和田に出向いたのはリプレースの事例取材 大阪…

岸和田製鋼に行ってきた① 電炉製鋼業は重厚長大型の静脈産業だった

本当は昨年中にアップしていなければならなかったのですが、どこから書いたらいいか、迷っていました。う〜ん、こうなったら書けるところから書いていけばいいじゃん、ということで、とりあえず1回目です。 岸和田に出向いたのはリプレースの事例取材 大阪…

マイナンバーカード体験レポート〜その1・申請編 ネットでチャッチャ

日ごろ批判めいた記事を書いている手前、申請からカード入手、確定申告に適用まで、実地で体験することにしました。 カミさんに撮影してもらった顔写真45×35㎜をプリントアウトして市役所(支所)に行ったら、「ここでは受付できないので」と拒否られ、交付…

「バリーくん」に会ってきた 自分たちが欲しいと思ったアプリを自分で作るITエンジニアの実像

バリーくんに会ってきた。システム障害に対応するエンジニアが開発したアプリ「Barry」のマスコット・キャラクターだ。インターネットイニシアティブ(IIJ)の基盤エンジニアリング本部でシステム障害に対応しているエンジニアが、「自分たちがほし…

「JISAのトンチンカンを止めるのは誰か」を考えるのもバカバカしいという話

なにせこの団体が発足する前夜、その「現場」に立ち会っていたものですから。ITに軸足を置いている取材・報道仲間からは、冗談半分に「最後まで見届けるのがアンタのミッション」のようにからかわれることもあります。 ソフトウェア産業振興協会(ソフト協…

1人当たり売上高3358万円の怪 統計で見る情報サービス産業(『情報サービス産業白書2019』から)

情報サービス産業協会(JISA)によると、2017年度、受託型ITサービス業の従業員1人当たり売上高が3358万円だったという。へぇ〜、というか何というか、にわかに信じられなかったのは、筆者が保有しているデータと大きく違ったからだ。 筆者が…

情報サービス産業白書2019「ITエンジニアの働き方改革」アンケートの欺瞞

情報サービス産業協会(JISA)が7月1日付で刊行した『情報サービス産業白書2019』(発行所:(株)インプレス)は、「ITエンジニアの働き方改革」と題し、会員企業の従業員個人へのアンケートで《ワクワクする働き方》を調べている。ここしばら…

情報サービス産業白書2019「ITエンジニアの働き方改革」アンケートの欺瞞

情報サービス産業協会(JISA)が7月1日付で刊行した『情報サービス産業白書2019』(発行所:(株)インプレス)は、「ITエンジニアの働き方改革」と題し、会員企業の従業員個人へのアンケートで《ワクワクする働き方》を調べている。ここしばら…

「IT予算の8割がシステム維持管理」が依然続き、沈みゆく日本のITユーザー/IT業界

6月6日付で「IT Leaders」に掲載した記事を再掲します。 https://it.impressbm.co.jp/articles/-/18036 「旧来システムを清算しない」ユーザー企業と「開発業から保守業に変ずる」ソフトウェア会社──“日本沈没”の危機を直視する 「既存維持8割:新規開発2…

練馬殺人事件の深層 要因は引きこもり/8050問題だけなのか〜乖離するサイバーとフィジカル〜

立て続けに、川崎市登戸と東京・練馬で無職の中高年者が絡む衝撃的な事件が発生した。「引きこもり」と「8050問題」をセットにした論議が喧しいが、練馬事件のもう一つの側面は〈サイバーとフィジカル〉、つまりサイバーの世界に生きている息子、フィジカル…

岩島「親子プログラミング教室」で考えたこと 実社会に等式で結ぶ「正解」はないんだよね

4月2日午後2時から、群馬県東吾妻町岩島の東吾妻町地域振興センターで、「親子プログラミング教室」が開かれた。来年4月から小学校で「プログラミング教育」が必修になるとあって、父兄や教員も関心を寄せている。講師・高橋正視氏が作った「数消しゲー…