マイナンバーカードを申請したのは1月6日、2月6日に交付の通知、取得したのが2月7日、税務署に出向いてe-Tax確定申告用のIDとパスワードを入手したのは2月27日でした。カード取得からID/PWまで3週間ほど間が空いたのは、第一に支払調書がそろうのを待っていた、第二に雨・風・寒を避けた、第三に取材したり記事を書いたり、第四に検査・診療を受けたり……の所用が入ったため。
そして今日(3月6日)までの間に新型コロナウイルス感染の陽性反応者が燎原の火のごとく全国に広がり、確定申告の締切日が4月15日まで、1か月延長されることに。こんなときこそ電子申請に誘導すべきなのに、なんたること! とブツブツ言いながら、「じゃ、やるか」と重い腰を上げたわけでした。
以下に【1】【2】【3】……で、手続きに沿ってスクリーンショットを表示しつつ、感想を書いていきます。強調したいことは太字にしました。
ちなみにバックナンバーは以下のようになっています。
第1回
第2回
第3回
利用者目線になっていないのは相変わらずです。
①不明瞭な選択肢:筆者のように、年金と原稿料・講演料が主な収入の場合、何を選べばいいのか、すぐに分からない。
②お役所文学:「所得が発生した場所」(意味は「報酬を支払った者(会社)」)
③記入する順番が違う:還付金の振込口座は、還付金がある場合に限るとか?
④システム的におかしい:送信➡️戻るのループ、終了できない。
そしてそもそも、「所得が発生した場所」が筆者のマイナンバー付きで報告しているのだから、国税庁で集計してくれないかな。「あなたは昨年、○○円の所得がありました」と知らせてくれればいいのに。
OSのバージョンは違うけど……
【1】「e-Tax」で検索し「 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)」(http://www.e-tax.nta.go.jp/)をクリックすると、下の画面が開きます。申告書を作成して郵送する場合も、ネットで申告する場合もスタートはここからです。
【2】筆者は個人での利用➡️ID・パスワード方式です。すると「e-Taxのご利用のための事前準備を行います」が出てきます。「準備って、普通は事前にするもんだよな」というチャチャはともかく、適用OSにWindowsは出ていません。どういうわけかこちらの利用環境がMacということが分かっているようです。
MacOSのバージョンは10.12以上、ブラウザはSafari12.1以上となっています。筆者のMacは中古+SSDバージョンで、DTPソフトの関係からOSは10.10.5(Yosemite)、ブラウザはChrome。「うわぁ、行けるかなぁ」(でもやってみよう)でしたが、とりあえず問題なくページは進んでいきます。
▲真ん中の「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選びます。
▲MacOSのバージョンが違うんだけれど……
▲「利用者識別番号」はID(12けたの数字)、「認証番号」はパスワード。使う言葉はどちらかに(一般に使われている言葉に)統一してほしい。
▲「入力された利用者識別番号に該当する情報がありませんでした」は、昨年(平成30年)以前にID・パスワード方式での確定申告は行われていない、という意味。だけどID・パスワード方式が始まったのは今回からだよね。
利用者に見せる情報じゃない
【3】税務署でもらった数字12けたの認証コード(ID)、自分が設定したPWを入力すると、「検索完了」のページが表示されます。最初の行に
「入力された利用者識別番号に該当する情報がありませんでした」
と表示されています。
「え? そんなバカな。税務署で氏名、住所、性別、生年月日を登録したじゃないか」
が第一声(というか頭の中のつぶやき)。
「該当する情報」というのは、これまでにID・PW方式で利用したことがあるかないか、なんですね。そんなのを利用者に知らせる必要があるんでしょうか。
以下、準備が整いました➡️申告書作成コーナーに進みます。そこから先は個人名、住所などがかかわるので説明は省略します。
▲筆者は「所得税」のみ。
▲ここが分かりにくい。筆者の所得は年金と原稿料、講演料。「給与」はもらっていないから、消去法で真ん中の「左記以外の所得のある方(全ての所得対応)」を選択した。カッコ書きで「全ての所得対応」なら、これだけでいいんじゃないか?
▲ここでマイナンバーを入力させるなら分かる。
▲さて、筆者のように年金+原稿料、講演料の人はどれを選べばいいでしょうか。
▲最初の入り口でID、パスワードを入力したら、住所、氏名などが自動的に表示されなきゃね。ID、パソワードをゲットしたとき、税務署のパソコンで必要な情報は入力しているんだから。もっと言えば、マイナンバーで基本4情報は分かるはず。何度も何度も「郵便番号、住所、氏名、年齢、性別」を求めるの、やめてくんないか。
令和6年に提出する未来人まで配慮している
【4】面白いのはここ。
「提出日」の「年」をクリックすると、プルダウンメニューが現れます。2、3、4、5、6……って何? 今年は令和何年でしたっけ? 令和6年に提出する人がいるんでしょうか。
「日」のプルダウンは1から31まで表示されますが、これはまぁこんなところでしょう。「年」のところで目が点になっていたので、「日」もおかしいと感じてしまうんですね。
あれ? 1か月延長じゃなかったっけ?
【5】諸々の入力が終わって、いよいよ送信というときに表示される注意書きには、思わず笑ってしまいました。そこには
「令和2年3月16日(月)の24時を過ぎて受信した令和元年分の所得税確定申告データは、確定申告期限後に提出されたものとなりますのでご注意ください」
とあります。
オットォです。今年の確定申告は4月16日まで延長されているはずでは?
しかも本来の締め切りは3月15日だったはず。
「3月16日の24時」というのは、16日から17日に日付が変わる深夜0時のことでしょう。そもそもそれが間違っているうえに、4月15日に延期されたことがすっかりわっかり忘れ去られているではありませんか。
国税庁の担当者、これでいいんですか?
送信➡️戻る➡️送信➡️戻るのループ
【6】ということで無事に送信したものの、ここで妙なことが起こります。送信が完了したなら、
「終了」のボタンをクリックしてシステムを終了してください。
と表示されるのが普通でしょう。
ところが「前に戻る」のボタンが有効なんですね。
修正したい人のために「戻る」ボタンを生かしているのかもしれませんが、それなら「修正」ボタンにすべきでしょう。
試しに「戻る」ボタンをクリックすると、再び「送信準備」の画面に戻ります。
再度「送信」すると、また「戻る」ことができてしまいます。
いたずらで何度も送信できますし、下手をするとプロセスがループを繰り返すしていると勘違いされかねません。
なんか変。
【7】最後にアンケートが出てきます。回答する・しないは任意(自由)ですが、わたしは目一杯、これまでここに書いてきた「なんか変」を記入して送信しておきました。設問や回答の選択肢に変なところがいくつもあるのですが、それを書いていくと長くなるので割愛します。
終了してもよろしいですか、って
【8】これが最後の画面。
終了してもよろしいですか?
って、お前、何を考えてるんだよ、です。
とっとと終了すりゃぁいいじゃないか。
しかも「はい」をクリックすると、いちばん最初の画面に戻るって、おかしいだろう。
e-Taxって相変わらず何か変なのでありました。