4月20日、四川省雅安市で2008年四川大地震に続き、また大きな地震が起きた。中国赤十字は直ちにネットで義援金を呼び寄せをしていた。しかし、ネットでのコメントですが、反対の声が大きかった。
「地震が起きると、どうして民間からの義援金を先に考えていたのか。普通は、まず政府からお金を下すのでしょう。アメリカやアフリカ、北朝鮮等へ送るお金があるのに、自国の民衆を救うお金はないのか?」といったような発言が大勢あった。
同時に、24日、香港立法会は今回の地震被災地への義援金拠出の決定を保留した。それに対し、中国大陸のネットユーザーからは「寄付する意味なんかない。汚職役人が肥えるだけ」、「香港のやり方は非常に正しい。義援金を送ってくれたら、悪事を助長する事になる」など、香港立法会の決定を支持する意見が大半を占めた。
これまでの災害などで集めた義援金の使われ方が不透明なうえ、金銭に絡むスキャンダルが最近多発した。最近、国内では赤十字のことを「黒十字」と呼ばれている。中国赤十字への不信感というと、5年前の大地震の後から強まったが、2011年6月から始まる郭美美事件が引き金であった。
まず、郭美美とは何者か。新浪微博(中国版ツイッター)に突如登場し、若干20歳とは思えない超セレブな生活ぶりを次々と披露した郭美美babyのことである。
彼女は中国赤十字会の商業総経理を名乗っていた。つぶやきの内容だが、ほとんどは自分のセレブ生活を自慢するような写真のアップで、パテック・フィリップの時計やエルメスのバーキンを見せびらかす写真、マセラッティの前でポーズを決めている写真、シャネルやエルメスのバックがぎっしり埋まったクローゼットの写真など。
「今住んでいるのは400平方メートルのおうちで、シアタールームがあるの。すごくきれいでゴージャス。ちょっと高いけどね」
「家にあるエルメスのバッグは元々お母さんのよ、私がすでに自分のものにしちゃったけど」
「マセラッティに傷つけちゃった。(上海の)スーパーカーレース参加に間に合えばいいけど」
……といったツブヤキでした。
その事件で中国赤十字が圧力を感じ、2011年12月31日に郭美美についての調査報告を発表した。その調査報告の結論だが、「郭美美は赤十字とは全く関係なし」と。しかし、誰もその報告を信用しなかった。
今回もだが、赤十字からの義援金呼寄せへの反対に対し、「郭美美事件の再調査」をするかしないか、赤十字の中で正反対の声が両方ともあった。筆者としてもっとも信用できないのは、中国赤十字会常務副会長趙白鴿氏の発言だったと思っておる。
「郭美美氏についての問題だが、中国赤十字は2011年12月31日より正式な声明文を発表した。その声明文に問題がありましたら、私は責任を取ります」と。
それを聞いて、温州高鉄衝突事件当時記者会見時の発言者のことを思い出した。「貴方たちは信じますか。とりあえず、私は信じます」と。
筆者でも赤十字等慈善機関へは寄付しない。するなら、地震後道具がない状態で片手で2歳の妹を掘り出した勇敢なる小さなお兄さん本人に手渡しする。