他国はずっと発見、マレーシアはいつも否認

図1は、3月8日午前7時40分頃①アビエーション業界での大事件、MH370便が行方不明になり、乗客の親類たちが無事を祈る場面の写真である。

 筆者は英語ヒヤリング能力を上げるために、昨年『Air Crash Investigation』②に興味を持つようになり、シーゼン1からシーゼン13まで漏れなく見ていた。そのわけで、航空機事故の原因を追究するまでには何年間もかかることは十分に分かっているつもりだ。
 飛行機が行方不明になった後、様々な情報で錯綜していて弁別が難しいのは理解できるが、人々が納得できないのは消息を絶った時間や場所を誠実に公開しないことにある。   
・8日、「午前2時40分ごろベトナム沖の上空からレーダーから消えた」とマレーシア航空会社の発表で、11日までマレーシアをはじめ、ベトナムやアメリカ、中国などの諸国はタイランド湾及びマレーシア内陸で捜索を集中していた。
・行方不明になった日から、「飛行経路を変えたことがあるか」といろいろなメディアからの質問に対して、マレーシアはずっと「No」と答えた。

 しかし、11日ロイター通信が明きらかにしたところによると、8日の未明にMH370便と思われる機影が民間航空管制センターのレーダーから姿を消してから、1時間余り後本来の飛行経路から針路を西に変え、数百キロ飛行していた可能性があるという。そこで、マレーシア側が急に態度を一転し、捜索範囲をマラッカ海峡まで広げてきた(図2)。

・13日、各国が捜索している最中、「アメリカ調査員の話によると、飛行経路を変えた後、4時間くらい飛び続けていた」と外国のメディアの報道に対して、マレーシア代理交通部長がその日の記者会見で強く否定した。
だが、15日に「人工衛星が捉えたMH370便の信号により、失踪後も午前8時11分まで7時間近く飛行を続けていた」とナジブ首相が記者会見で認めた。
 それによって、捜索範囲は大きく変わった。衛星データから、最後の信号を発した場所は図3に描かれてある赤線上のどこかとみられる。

 以上のような劇的な展開があったので、「他国はずっと発見、マレーシアはいつも否認」という言葉が、最近中国で流行っている。

注:
①この文章に載ってある時間はすべてクアラルンプール現地時間である
②ドキュメンタリー番組、和訳:『メーデー!航空機事故の真実と真相』