2人目の子供、「生育服務証」がなぜか難しい!

 前回の「単独二胎とは?」の内容を改めて説明すると、中国の法律では、夫婦のどちらかが一人っ子として育てられてきたら、その夫婦が子供を2人産むことが認められるようになった。ただし法律ではそう定められているが、実際に病院で産むには、「生育服務証」を提出することが前提となる。
 さて、ある「双独二胎」のお母さん(王さん)の足跡に基づき、2人目の子供の「生育服務証」の取得ルートを振り返ってみよう。

 王さん夫婦は、北京に住んでいた。王さんのご主人は北京戸籍だが、王さんの戸籍地は北京ではなかった。
 2012年のことだった。王さん夫婦にはすでに5歳のお子さんがいた。特に2人目の子供を産むつもりはなかったが、意外にも妊娠した。夫婦2人とも一人っ子なので、法律上は認められる。王さん夫婦は「産もう」と決心をした。
 早速、王さん夫婦が住んでいる団地管理会に問合せをした。その結果、まず夫婦2人の「一人っ子証明書」が必要である。ただし、それはあくまでも申請の参考だけだと言われた。ほかには、戸籍地の団地管理会、居民委員会、区政府からの証明も要ると。

 そこで夫婦は申請書を書き、生育証明書+身分証明書+戸籍簿+一人っ子証明書+結婚証明書+一人目の子供の出生証明書+夫婦2人2インチ写真4枚+王さん1インチ写真2枚等、又は居住団地管理会からもらった2人目の子供の許可フォーム、生育紹介書、一人目の子供の「生育服務証」を申請用の封筒(というか紙袋)に入れた。
 その上、王さんの戸籍地の団地管理会、居民委員会、区政府からの証明も必要であった。それがないと、夫婦2人ともが初めての結婚、2人に子供が一人しかいないことが証明できないからというわけだ。
 夫婦2人の証明だけでは足りない。夫婦それぞれの両親の結婚と生育状況も証明しなくてはならない。
 そこでは、予想外の事が起こった。王さんの舅姑の結婚証明書に記載されていた王さんの舅の名前が間違っていた。その結婚証明書は1970年代のものなので、全部手書きだった。また、その結婚証明書の発行者は「**革命委員会」だった。

 「どうしよう」と王さん夫婦はとても心配した。その革命委員会はすでに存在していないし、団地管理会のレコードファイル倉庫にその結婚証明書のコピーもない。つまり証明書として効力がないのだが、逆に見れば結婚したことを否定することも証明できない。そこで、舅姑夫婦が新しい結婚届を出すことによって新たな結婚証明書を手に入れた。
 以上の全ての資料(A4紙50枚強)を提出し、そこで終わりだと思ったが、団地管理会から「最後にあと1つの手続きが残っている」と伝えられた。それは、居住団地住民の座談会を開き、住民たちの許可をもらうこと。
 10人以上の住民を集め、2人目の子供を産みたいことを伝え、みんなの意見を聞いた。「OK」をもらい、サインしてもらって、団地の掲示板にはその内容を公示した。

 一週間以内に異議を持つ住民がいないので、団地管理会が正式に区政府に今までの資料を提出してくれた。一ヵ月後には2人目の子供の「生育服務証」がとうとう手に入った。
 そういうわけで、妊娠したことがわかった後、すぐに申請をはじめたものの、「生育服務証」が下りたのは出産一ヶ月前のことだった。子供が無事に出産できるのは喜ぶべきことなのだが、全ての手続きが終わった時、王さん夫婦は疲れ果てて、その興奮感はどこかに飛んでいた。笑い話のような本当の話だ。

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