神谷芳樹のオフィシャル・エッセイ

2つの技術史展示館を訪ねて(5)

NTT技術史料館の展示、電信電話ことはじめ もうひとつの施設見学は、NTT技術史料館。筆者は新卒後、横須賀電気通信研究所を皮切りに、NTTグループの組織に都合30年間在籍した。この史料館にあるのはいわば古巣の知った歴史だ。今回は動画入りのタブレットに…

2つの技術史展示館を訪ねて(4)

富士通沼津工場に設けられた「池田記念室」はこの池田敏雄を記念する施設で、遺品やゆかりの写真、そしてコンピュータの実機等を展示し、訪れる人に氏の業績を伝えている。 有名なリレー計算機の動態展示があった。猛烈な技術革新の中で大変な苦労をして、こ…

2つの技術史展示館を訪ねて(3)

次に案内されたのが「池田記念室」。あの伝説の池田敏雄、プロジェクトXの世界である。池田敏雄もプロジェクトXも、今となっては歴史の彼方、やはり60歳以降の記憶の中だ。 池田敏雄は当時コンピュータ開発に関係した世代で知らぬ者はないが、その業績を知ら…

2つの技術史展示館を訪ねて(2)

古河市兵衛之像(日本橋、コレド室町) まず案内されたのは、「富士通アーカイブス」という施設。かなり広いフロアを使って富士通の全歴史が展望できる。 そのスタートで驚いた。 な、な、なんとそれはあの古河市兵衛の胸像写真で始まる。これは知っている。…

2つの技術史展示館を訪ねて(1)

富士通沼津工場 ここ50年の視野をもった日本の電気情報通信の歴史に関する著述をまとめるにあたって、そろそろ筆を置こうとする直前に2つの大規模な技術史展示館を見学させていただいた。 見学し終わって、深いため息と共に、ちょっと高揚した気分になった。…

箱根、芦ノ湖畔で訪ねた2つの聖地

アラン・シャンド顕彰之碑と子息の墓 国際的に人気の観光地、避暑地としても評価の高い箱根、そこに「凄いもの」がある。もちろん点在するあまたの美術館・博物館には「宝もの」がいっぱいだが、そのほかに、「宝」というよりも歴史のエビデンス、「聖地」と…

スカイツリーのオーラを浴びながら、しっとり感の下町散歩4/4

三社祭、神輿の掛け声、お囃子の中を吉原大門から浅草寺へ 吉原大門跡と見返り柳 山谷いろは会商店街のアーケードを抜け、広い土手通りに出て、道端でいかにもといったポーズでたたずむ「あしたのジョー」に挨拶し、左手、スカイツリーのほうに折れると、ほ…

スカイツリーのオーラを浴びながら、しっとり感の下町散歩3/4

<span class="deco" style="font-weight:bold;">日本堤、山谷いろは会商店街と土手通り</span> 浄閑寺山門前の日本堤 浄閑寺の過密な墓地から山門へ、永井荷風と幸薄かった遊女達に思いを巡らせ、門を出ると、あまり広くない道の正面に堂々のスカイツリーが見えた。青空を網の目のように電線が覆っていて、あたか…

スカイツリーのオーラを浴びながら2/4

しっとり感の下町散歩 三ノ輪の浄閑寺と永井荷風 三ノ輪商店街を抜けたところで幹事の、「次はジョウカンジ」、という声があった。むむっ、聞いたことがある、そう、あの永井荷風の浄閑寺だ。昔、学生のころ、ちょっと縁があって訪れたことがある。それは広…

スカイツリーのオーラを浴びながら 1/4

しっとり感の下町散歩 早稲田から都電荒川線で三ノ輪商店街へ 昔の東京の面影残る都電荒川線からの景色 高校を卒業して49年、毎年恒例のクラス会で、幹事がいつもの宴席の前に、都電荒川線と徒歩による下町散歩を企画した。こうしたイベント、最近出席率を上…

コネクティッド・カー EXPO 2016 へ行ってきた

一目で感じられる「ソフトウェア問題」 ソフトウェア開発の課題克服のヒントを求めて、『コネクティッド・カー EXPO 2016』へ行ってきた。年明け、ラスベガスやデトロイトの熱さが伝えられているが、東京・有明でも、ビッグサイトの全フロアを埋め尽くす巨大…

ウェアラブルEXPO 2016に行ってきた

リストバンド型は製品レベル・サービスレベルへ ウェアラブル、リストバンド型はもう製品レベル、あるいはそれを使ったサービス提供レベルだ。

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」特別編

『夜明け前』の「電気情報通信」 いわゆる「幕末・明治モノ」の中で圧倒的な存在なのが島崎藤村の「夜明け前」だ。この文学作品に凝縮された迫真の歴史スペクタクルに「電気情報通信」は姿を現すか? もちろん、それは極めて印象深い場面で登場し、その姿は…

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」(6)

林望:「薩摩スチューデント、西へ」 「幕末・明治モノ」というと明治維新がいくら無血革命だったと言っても、実際には沢山の血が流れたし、また思想的にもめまぐるしい戦いがあり、どちらかというと肩の凝る物語になりがちだ。そんな中、ひたすら爽やかな青…

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」(5)

「佐久間象山」:松本健一に導かれて(下)天下にかかわり有るを知る 松本健一に導かれての「佐久間象山」、再び「電信」が登場するのは、弟子の吉田松陰下田踏海事件に連座し、幽閉生活になって、その中でも生活の管理が一段と厳しくなってから2年目あたり…

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」(4)

「佐久間象山」:松本健一に導かれて(上) 象山神社の謎 長野に知人ができ、しばしば訪れるようになった。東京から訪問すると筆者の趣向を見計らって近隣を案内していただける。今夏はもちろんまずは善光寺ご開帳。賑わう門前を楽しんだあとに、プラス・ア…

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」(3)

岩倉使節団の世界旅行 久米邦武の「米欧回覧実記」(下) 欧州・亜細亜 米国・ボストンから大西洋を渡った岩倉使節団の旅、イギリスはリバプールに上陸して、エジンバラ、ハイランド地方、ニューカッスル、ブラッドフォード、シェフィールド、バーミンガム、…

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」(2)

岩倉使節団の世界旅行 久米邦武の「米欧回覧実記」(上)〜米国〜 明治四年(1871)に横浜港を出発した岩倉使節団の1年10ヶ月におよぶ世界一周視察旅行は、不発に終わった不平等条約改正交渉という目的を越えて、その後の日本だけでなく、アジア、そして世界…

「幕末・明治モノ」に覗く「電気情報通信」(1)

プリンス・トクガワと渋沢栄一、そして栗本鋤雲 「電気情報通信」は近代国家の屋台骨を支えているのだが、気のせいか、その存在が歴史の表舞台に露出する場面は少ない。社会基盤というのはそういうものかも知れない。革命期の幕末、明治ではどうだろう。いわ…

CEATEC JAPAN 2015へ行ってきた いろいろ見れたビジュアル・レポ(4)

IPAもIoTにまっしぐら この展示会、いろいろ言われているが、行って見なくてはわからない。現地はやっぱり凄い、いろいろあるじゃないか、という感じ。以下、目についた展示のビジュアル・レポの4回目。 情報処理推進機構(IPA)もIoTへまっしぐらだ。 日中…

CEATEC JAPAN 2015へ行ってきた いろいろ見れたビジュアル・レポ(3)

自動車もテーマ この展示会、いろいろ言われているが、行って見なくてはわからない。現地はやっぱり凄い、いろいろあるじゃないか、という感じ。以下、目についた展示のビジュアル・レポの3回目。<< 空や宇宙ばかりでなく自動車もこの展示会の重要テーマだ…

CEATEC JAPAN 2015へ行ってきた いろいろ見れたビジュアル・レポ(2)

ドローンがいっぱい この展示会、いろいろ言われているが、行って見なくてはわからない。現地はやっぱり凄い、いろいろあるじゃないか、という感じ。以下、目についた展示のビジュアル・レポの2回目。<<まるで航空母艦。こんなに手軽では、あっという間に普…

私の「南蛮のみち」〜マデイラ・アイランドへ行ってきた〜②

そういえば、マヨルカ島の国際会議では、島の少し内陸に入ったところ のバレアレス諸島大学のツーリズム学部のお世話になっていた。近代的な とても立派な大学キャンパスで、ここではホテル型のフルサービスの昼食 が出た。学部の実習とい…

私の「南蛮のみち」〜マデイラ・アイランドへ行ってきた〜①

機会があってここ10年ほど毎年のようにソフトウェア・エンジニアリングに関する国際会議に論文発表などで参加してきた。その開催場所はオリンピックにも似て、それぞれ誘致する研究グループなどによって脈絡無く世界各地を持ち回る。おかげで参加する者とし…

(続)絶句、青淵、あまりにも偉大な 津本陽「小説 渋沢栄一」を読んで(13=完=)

外交。また外交 米国カリフォルニア州での日本人排斥政策の具体化で、各州の独立性を思い知った明治政府は、政府間だけでなく国民外交の必要性を痛感した。 東京、王子、飛鳥山、渋沢史料館で 明治四十一年(1908)の末になって外務大臣小村寿太郎は商業会議…

(続)絶句、青淵、あまりにも偉大な 津本陽「小説 渋沢栄一」を読んで(12)

日米外交逼迫のなかで 移民排斥をめぐって日米関係が急迫する中、明治三十九年(1906)4月、サンフランシスコ大地震が発生した。日本赤十字社が救済義捐金を募集し、渋沢栄一は各企業に寄付を依頼、日本からの寄付金は25万ドルを超え、この額は全世界からの…

(続)絶句、青淵、あまりにも偉大な 津本陽「小説 渋沢栄一」を読んで(11)

再訪の欧州で 明治三十五年(1902)、62歳の渋沢栄一は半年に及んで欧米を歴訪した。その最後の1ヶ月はロンドンを拠点とした欧州巡行だった。それは幕末、徳川昭武に随行してパリを拠点に滞在してから実に39年ぶりの欧州である。この間渋沢栄一個人にとって…

(続)絶句、青淵、あまりにも偉大な 津本陽「小説 渋沢栄一」を読んで(10)

授爵そして国民外交 津本陽「小説 渋沢栄一」、終段に来て授爵の話題がある。団塊世代にはピンとこないが、いくつかの大きな含意がある。 晩香廬(東京、王子:飛鳥山) 爵位については、以前、幕末の歴史を概観しているなかで、江戸時代のいわゆる大名家、3…

Japan IT Week[春]に「ちょっとだけ」行ってきた

東京ビッグサイトの巨大展示会、リード エグジビジョン ジャパン(株)主催の『Japan IT Week[春]』は12種の展示会が合体した催しで、その巨大さ、人波に、気力、体力が及ばず、ちょっと垣間見た程度だが、それでも刺激一杯だった。 特別講演の聴講申し込…

ソフトウェア ・エンジニアリング研究の最前線 スウェーデンで開催された国際週間に見る(9)

Industry Track ESEM 2012ではこの他に特別にIndustry Trackが用意され、おもに企業からの事例を中心とした発表が8件あった。 この中でマイクロソフト・リサーチから、多くの知る製品群を例にした、構成管理における「ブランチ」の管理、ゲームプログラムの…